ニキビ治療について
11月に入り、だんだんと寒くなってきましたね。
肌の乾燥や季節の変化により肌荒れに悩まされている方も多いのではないでしょうか?
今年は長時間のマスク着用による肌荒れやニキビの悪化で、ご来院される患者さまも多くいらっしゃいます。
今回はニキビの治療内容と疑問についてご説明します。
●進行と原因●
〈原因〉
①男性ホルモンなどの影響により皮脂分泌が活発になること
②古い角質がつまるなどして毛穴がふさがること
③毛穴の中でニキビの原因菌(アクネ菌など)が増殖すること
④マスクによる摩擦、むれ、乾燥、繊維による刺激
などがあげられます。
〈進行〉
①ニキビの始まり(微小面ぽう)
ニキビは目に見えない小さな毛穴のつまりから始まります。
↓
②角栓ができる(面ぽう)
さらに進行すると、目に見える白ニキビや黒ニキビができます。
ニキビの原因となるアクメ菌は皮脂を好み酸素を嫌うため
増えるのに好都合な環境となります。
↓
③炎症が起こる(赤ニキビ)
毛穴に皮脂がたまり、ニキビの原因となるアクネ菌が増殖することで炎症が起こります。
↓
④炎症が広がる(膿をもったニキビ)
ニキビの内容物が周囲の組織に広がり、炎症が悪化します。いわゆる黄ニキビです。
●治療について●
当院ではその方の症状に合わせて、ニキビの原因菌に作用する抗菌薬の内服や、毛穴のつまりをとる作用のある塗り薬や炎症やアクネ菌の増殖を抑える塗り薬で治療をしていきます。
また、自費商品としてニキビやニキビ跡に効果的なビタミンCローションや毛穴のつまりに作用するピーリングソープも取り扱っております。
トラネキサム酸の変更について
当院では自費診療にて内服や外用薬によるシミ・肝斑治療を行っております。
これまでシミの治療でトラネキサム酸1日1500mgを処方しておりましたが、
近年のシミ・肝斑治療において1日750mg内服でも十分な効果が期待できるということが分かってきました。
トラネキサム酸は基本的に副作用が少なく安全なお薬ですが、
医療現場では止血薬や抗炎症薬として使用されているお薬です。
患者様の安全を考慮して当院では2020年11月よりトラネキサム酸を
従来の500mg錠から250mgカプセルへ変更し、1日750mg内服へ変更させて頂きます。
それに伴い下記へ価格変更となり、お買い求めやすくしております。
《変更前》トラネキサム酸錠500mg(100錠) 2000円
↓
《変更後》トラネキサム酸カプセル250mg(100錠)1600円
シミ・肝斑治療をご希望方や何かご不明な点がございましたら、お気軽にスタッフへお声がけ下さい♪
2020/11/12
秋の花粉症について
日本ではスギ花粉やヒノキ花粉の花粉症に悩まされている人が多いため、花粉症と言えば春と思われる方も多いかもしれません。でも実際には、初夏から秋にかけてイネ科やブタクサ属などの花粉が広い地域で飛散しており、花粉症は1年中注意が必要です。
【関東エリアの花粉カレンダー】
最もメジャーなスギやヒノキ科の花粉飛散量は2〜4月がピークです。関東では初夏にイネ科、秋からブタクサ属など草本植物の花粉が増加するので、一年を通して花粉症のリスクが高いエリアです。
【秋はハウスダストも要注意】
花粉以外の秋のアレルゲンとして意外と知られていないのがハウスダストです。ハウスダストとは室内にたまるホコリ(室内塵)のことで、ダニの死骸やフン、カビなどが含まれています。
ダニは夏に繁殖しますが、秋になると一斉に死んでしまいます。このため、秋はダニの死骸やフンが増加・蓄積し、ハウスダストによるアレルギー性鼻炎が増えるのです。
【花粉症と風邪の違い】
花粉症の主な症状といえばくしゃみ・鼻水・鼻づまりですが、これらは風邪をひいた時にもよく見られる症状です。花粉症の場合、サラサラとした水っぽい鼻水なのに対し風邪の症状では粘り気のある鼻水のことが多いです。その他に微熱程度の熱が一週間以上続いたり、左右両方の鼻づまりに加えて目の痒みもある等といった症状は花粉症の可能性があります。
【花粉症の治療方法】
抗ヒスタミン薬、抗ロイコトリエン薬などの内服薬や点鼻薬、点眼薬、点眼ステロイド薬などを組み合わせて治療を行います。
これらの治療薬は
1:花粉症などアレルギーの病気の時に体内で増えているアレルギーの細胞を抑える
2:アレルギーの細胞から症状の原因となる物質(化学伝達物質)が放出されるのを制限する
3:ヒスタミン、ロイコトリエンなどの化学伝達物質が神経や血管に作用するのをブロックする
上記の作用によって花粉症の症状をやわらげようとするものです。
これらの薬剤を上手に使い分ければ、花粉が多い年でも5-6割の患者さんが大きな副作用もなく、花粉症の症状がほとんど出現せずに、花粉飛散の季節を過ごせることがわかっています。
【花粉症は早めの対策が肝心です】
花粉症の症状が出る前からお薬による花粉症の初期療法を始めていると、症状の発症を遅らせ、飛散シーズン中の症状をやわらげることができます。また、初期療法は早期に症状を改善させることもでき、結果として処方される全体のお薬の量を減らすこともできます。以前から花粉のアレルギーをお持ちの方も、花粉症の疑いがある方も早めの対策で辛いこの時期を少しでも和らげましょう。
【アレルギー検査について】
当院では採血による花粉症のアレルギー検査も行っており、受診日当日に採血が可能です。採血当日から1週間程度で結果をお伝えいたします。
当院でのアレルギー検査ご希望の方はお気軽にお問い合わせ、ご来院ください。
頻回な手洗い・消毒による手荒れについて
コロナウィルス感染防止に欠かせないせっけんや消毒液ですが、同時に頻回な手洗いや消毒で手荒れを引き起こしてしまうことがあります。
皮膚の一番表面には「角質層」という層があり、外的刺激から肌を守り肌の水分を保つ役割(バリア機能)を担います。
角質層は皮脂と汗が混じり合ってできている「皮脂膜」と水分を保持する「保湿因子」、角質層の細胞と細胞の隙間を埋める「角質細胞間脂質」などで構成されており、これらの要素が欠けると皮膚のバリア機能が低下します。
感染予防のためにこまめな手洗いや消毒をすることがとても大切ですが、アルコールなどが含まれる消毒液は、皮膚の脂分を奪ってしまいます。
手指の皮膚は皮脂を分泌する「皮脂膜」が少ないため、角質層を厚くすることでバリア機能を保っています。
石鹸での頻回な手洗いにより油分が洗い流されてしまったり、水分が不足した状態が続くと、手荒れや皮膚のひび割れを引き起こします。
感染対策の為の手洗い・消毒はとても重要です。もし、手洗いや消毒による乾燥や皮膚のカサカサが気になる時には保湿クリームを使用しましょう。
こまめに保湿を行うことで手荒れを防ぐことができます。
保湿クリームでは症状が改善されなかったり、症状が強く赤みやかゆみ、湿疹を伴ったり、皮膚がジュクジュクしている場合にはお早めに皮膚科をご受診ください。
当院では夜間の手荒れのケアに綿手袋や、小さなお子様やアトピー性皮膚炎の方でもお使いいただける保湿乳液もご用意しております。
気になる方はお気軽にスタッフまでお声かけください♪
マスク着用による肌トラブルについて
今年はコロナウィルス感染対策のため、どうしてもマスク着用の機会が増えていますよね。
マスクを長い時間着用するようになってから、肌トラブルに悩まされている方も多いのではないでしょうか?
マスク着用による肌トラブルにはニキビ・赤みやかゆみなどがあげられます。
それらの症状はマスク着用による摩擦と蒸れなどに原因があります。
マスクの着用時や着脱する際、肌には摩擦が生じ、その摩擦が肌への刺激となり、バリア機能の低下を引き起こします。
バリア機能が低下するとうるおいが保ちにくくなり、肌が乾燥しダメージを受けやすい状態となってしまいます。
またマスク着用時の蒸れも肌荒れの原因のひとつです。
呼気や汗によるマスクの蒸れは雑菌が繁殖しやすく、ニキビの原因となったり、汗そのものが刺激となってしまい皮膚炎を引き起こすこともあります。
◎対策
マスク着用時に蒸れを感じたら、ハンカチなどを肌に優しく押し当て、余分な水分を拭き取るなど蒸れないようにする工夫が必要です。
また顔のサイズと合わないマスクの着用は摩擦の原因ともなるため注意しましょう。
化学線維が使用されているマスクにアレルギー反応を起こしてしまう人は、天然素材を選んだり、マスクが直接肌に触れないようガーゼを挟むことも効果的です。
蒸れていると肌の乾燥を感じにくいかもしてませんが、マスクによる蒸れや摩擦により肌に備わっているバリア機能が低下し乾燥を引き起こしているため、しっかり保湿のケアをすることも大切です。
保湿効果のある乳液やクリームなどで乾燥から肌を守り、肌のバリア機能を整えましょう(^^)
マスク着用の機会が増え、当院にも肌トラブルで来院される患者さまが増えています。
来院時の予約は不要ですので、なかなか症状が改善されなかったり、悪化している場合にはお気軽にご来院ください♪
とびひについて②
□とびひの治療法
とびひには抗菌薬を使用し、細菌を退治する治療を行います。
かゆみが強い場合はかゆみを抑える治療薬もしようします。患部を掻いてしまうことで、症状が広がってしまう恐れもあるため、悪化する前に治療を開始するこが大切です✨
□日常生活で気を付けること
・患部をかいたり、いじったりしない
とびひは、患部を触った手を介して症状が体のあちこちに広がることがあります。
患部に触らないように注意し、引っ掻かないよう爪を短めに切るようにしましょう。
・皮膚を清潔を保つ
原因となる細菌を減らすため、皮膚を清潔に保つことが大切です。
患部はこすらず、石けんをよく泡立て、泡でていねいに洗い、その後はシャワーでよく洗い流しましょう。
・タオルや衣服は共有しない
タオルや衣類を介してとびひがうつることもあります。共用しないようにしましょう。
とびひは症状が広がる前に治療を行うことでより早く治すことができます。
ご症状にお心当たりのある方はお早めにご受診ください♪
とびひについて①
皮膚の一部にできたみずぶくれやただれが体のあちこちに広がってしまったという経験はありませんか?
それは「とびひ」という症状かもしれません。
「とびひ」の正式な病名は「伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん)」といいます。
掻きむしった手をかいして、水疱などの症状が全身に広がる様子が火事の火の粉が飛び火することに似ているため、「とびひ」と呼ばれています。
とびひは虫刺されやあせもを掻いてしまったり、ケガでできた小さな傷に細菌が入りこみ、皮膚に感染することで発症します。
人にうつしてしまうこともあり、外からの刺激などから皮膚を守る働きをもつ皮膚のバリア機能が低下しているアトピー性皮膚炎の方はとびひにかかりやすいので注意が必要です。
□とびひの症状
とびひにはみずぶくれができる「水疱性膿痂疹」とかさぶたができる「痂皮性膿痂疹」 の2種類があります。
◎水疱性膿痂疹
*症状…水ぶくれができる→水ぶくれが破れ、皮膚がただれる
→乾燥し、かさぶたが剥がれて治癒
*できやすい部位…目、鼻、口の周りから症状が出始めることが多く、痒みを伴う
*季節…夏に多い
*年齢…7歳未満の乳幼児に多い
◎痂皮性膿痂疹
*症状…膿をもった水ぶくれ(膿疱)ができる→厚いかさぶたになる
→炎症が強く、リンパ節が腫れたり、発熱や喉の痛みを伴うこともある
*できやすい部位…全身
*季節・年齢→季節や年齢に関係なし
2020/08/18
虫刺されについて②
前回に引き続き、虫刺されについてお伝えします。
●虫さされの治療について
虫さされの治療には主にステロイド剤が使用されます。ステロイド剤には皮膚のかゆみや炎症・腫れなどを和らげる効果があります。
●とびひになってしまう可能性も…
日常で起こりうる虫さされですが、虫さされがきっかけでおきてしまう二次的な細菌感染を防ぐことも重要です。
痒いからと患部をかき壊すと炎症が悪化し、子供の場合は他の部位に広がってしまう「とびひ」を引き起こしてしまうこともあるので注意が必要です。
虫刺されくらいで皮膚科を受診するのは・・・と思う方も中にはいらっしゃると思いますが、この時期は特に虫刺されの症状でご来院される方は多いです。
市販の薬で症状が改善されない場合や水ぶくれや強い痛み、じんま疹がでるなどの症状がある際は皮膚科をご受診ください(*^^)
虫刺されについて①
虫さされは多くの人が経験する身近な皮膚トラブル1つです。
8月に入り、当院でも虫さされでご来院される患者さまが増えてきました(>_<)
公園やお庭など、外だけではなく家のなかでも虫にさされる事があります。
身近な虫による原因が多いため予防が難しく、かゆみや痛みだけでなくかき壊してしまったり、なかなか治らないこともありますよね。
今回は虫さされの症状や対処法についてご説明いたします☆
●虫さされの症状は?
虫に刺されるとその虫の毒や唾液に含まれる成分が皮膚に注入されてアレルギー症状を起こします。
虫に刺されると刺された部位とその周辺に赤い発疹やかゆみ・腫れなどがあらわれ、痛みを伴うこともあります。
これらの症状には、刺されてすぐに反応が起こる「即時型反応」とゆっくり起こる「遅延型反応」があります。
またこの症状は年齢や体質、刺された部位や回数によって症状のあらわれ方に個人差がでます。
●虫さされの対処法
虫さされを予防するには、肌の露出を少なくしたり、虫除けスプレーなどを使用し、まずは虫を寄せ付けないことが大切です。
このような対策を行っても完全に虫さされ防ぐことは難しいため、もし虫さされに気付いた場合は患部を水で洗い流し、清潔を保ちましょう。
毛虫やハチに刺されたときは、皮膚に残っている毒針や毒毛を取り除きます。
毒針や毒毛を残したまま掻いてしまうとさらに皮膚にはいりこんで症状を悪化させる恐れがあります。その後、患部を冷やし掻いて炎症を広げないようにしましょう。
クラゲ刺傷②
前回に引き続きクラゲ刺傷についてご紹介します。
★刺されてしまったら
①すぐに海からあがるか、その場から離れます。
②近くにいるライフセーバーなどに処置をお願いしましょう
(クラゲの種類を特定してもらい、洗い流します。触手が残っている場合があるため手袋などをして取り除きます。)
④痛みがひどいときは、氷または冷水で冷やしましょう。
⑤近くの医療機関で治療をおすすめします。(ステロイド外用剤・内服薬や鎮痛剤を使用し症状の緩和をしていきます。)
【おすすめ】
クラゲは種類によって刺傷後の対処が真逆になります。曖昧な知識での対処や、クラゲの種類を自己判断せずに
近くのライフセーバーや地元の方に助けを求めることが治療への近道になるでしょう。
★注意事項
・クラゲに刺されたら「お酢で流す!」と思いがちですが、カツオノエボシの場合は、酢をかけると毒針の発射を促すことになり逆効果になります。
(曖昧な知識で真水やお酢などで流さないようにしましょう。)
・真水で洗うと、海水との浸透圧の差により細胞の毒液が体内に流れ込みやすくなるため、海水で洗い流すようにしましょう。
・浜辺に落ちているビニール袋が実はカツオノエボシだったということもあります。小さいお子様をお連れの場合はお子様から目を離さないようにしましょう。
2020/07/21