乾癬について
みなさんは、以前有名モデルの方が治療中といった話題でニュースにも取り上げられていた“乾癬”という疾患をご存知でしょうか?
慢性的な皮膚疾患の一つで根治が難しく、症状や発症する場所は人によって異なります。主な症状として皮膚に出来た赤い発疹の上に、銀白色のフケのようなものが付着し、ポロポロとはがれ落ちる皮膚の病気で長期間に渡り良くなったり悪くなったりを繰り返すのが特徴です。今回はこの“乾癬”について詳しくご紹介いたします。
原因は?
まだはっきりと解明はされていませんが、もともと乾癬になりやすい遺伝子を持ち、そこに様々な環境原因が複雑に関与することで発症すると考えられています。また、近年の研究から乾癬の発症にはサイトカインと呼ばれる物質が深く関わっていることが明らかになってきました。サイトカインとは免疫系の細胞から分泌される免疫・炎症に関連したタンパク質のことです。細胞中にはサイトカインの生産を抑えるCAMP(サイケリックエーエムピー)と呼ばれる物質が存在しており、さらにこのCAMPを分解する働きをしている酵素をPDE4(ホスホジエステラ-ゼ4)といいます。
乾癬患者さんの皮膚にはこのPDE4が大量に存在しているため、CAMPが過上に分解されてしまいます。よってCAMPの量が少なくなり、炎症性の化学伝達物質やサイトカインなどがたくさん生産され、皮膚症状が現れると考えられています。
主な治療方法
当院では患者様の症状に合わせて外用薬または内服薬によって炎症を鎮めたり免疫機能を変える治療を行っております。現時点では乾癬を完全に治す治療は解明されていませんが、根気よく治療を続けることで日常生活にほとんど影響のない状態を長期間保つことができます。また、バランスの良い食生活や十分な睡眠を取り、日頃のストレスを溜めないことも大切です。
他の人に感染する疾患ではありませんが、早めの治療開始が大切ですので気になる症状がある方は早めにご来院ください。
2018/02/02