多汗症について②
こんにちは。今回は引き続き多汗症についての治療からご案内します。
多汗症の治療法
医療機関で採用されている多汗症の治療法にはいくつかの種類があり、原因や症状のレベルによって、対策が異なります。
- 外用薬を使用する
汗腺を塞いで汗の分泌を抑える「塩化アルミニウム液」を患部に塗るのは有効な方法です。腋にはそのまま塗るだけで問題ありませんが、手の平や足裏の場合は薬液を皮膚に塗り、さらにその上から被覆材で密着させることでより多汗症に対する効果が期待できます。
新しく発売された「エクロックゲル」は最後に詳しくご案内します。
- 内服薬を使用する
保険適用の臭化プロパンテリン、適用外のオキシブチニン、コハク酸ソリフェナシンなどといった内服薬による治療もあります。ただし、効果の程度にばらつきがあったり、副作用があったりするので、医師や薬剤師の説明をよく聞いて選択するようにしてください。
- ボツリヌスの注射
ボツリヌス菌の毒素を患部に注射し、汗を抑える方法です。欧米では腋の局所性多汗症の治療によく用いられます。日本では腋窩以外は保険適用外の治療になるため、費用や効果を十分に確認の上で選択しましょう。
- イオントフォレーシス
イオントフォレーシスとは、発汗の多い手の平や足の裏を、水を貯めた容器に浸し、10~20mAの電流を約30分間流す保険適用の治療です。これを8~12回ほど行うと、多汗症の改善に効果が期待できるとされています。
- 交感神経遮断術
交感神経の働きによる多汗を抑えるために、胸部の交感神経を切除、もしくは焼くなどする治療法です。かつては大がかりな手術が必要でしたが、最近では腋の下を数ミリ切り、そこからカメラを入れて手術することが可能になりました。だいたい10分ほどで完了する場合がほとんどです。
新しく発売された薬は腋窩多汗症のお薬で「エクロックゲル」というお薬です。
(腋窩多汗症のみの適応となります。手や足の多汗症には使用できません。)
特徴1. 日本初の保険適用の原発性腋窩多汗症用外用剤
日本初の保険適用の原発性腋窩多汗症用外用剤です。
特徴2. 1日1回の塗布で効果が期待
1日1回、両腋窩への塗布で効果が期待できます。
特徴3.リン受容体サブタイプ3に結合し、発汗シグナル伝達を阻害
本剤の有効成分であるソフピロニウム臭化物は、神経伝達物質であるアセチルコリンの作用を阻止する抗コリン剤です。
アセチルコリンはムスカリン受容体と結合することで汗腺から発汗を誘発すると考えられています。同剤はムスカリン受容体と結合することでアセチルコリンの結合を阻害し、発汗を抑制するという作用機序になります。
詳しい説明は販売元のこちらをご覧ください。↓
https://ecclock-info.jp/
当院では外用薬の治療をご案内しております。
これから暖かくなってきて汗でお悩みの方は一度ご相談にご来院ください。
2021/02/22