水イボについて

梅雨が明けたら夏本番!お子さまをもつご家庭ではプール開きなども話題にあがるころだと思います。

保育園や幼稚園によっては水いぼがあるとプールに入れない施設も多いでしょう。

今回は水いぼについてご説明します。

 

【水いぼとは】

正式名称は「伝染性軟属腫」といいます。伝染性軟属腫ウイルスによる小さなイボで、免疫力の弱い幼児~小学校低学年の子どもに多く発症します。

水いぼはどこにでもでき、顔や体、手足まで広がってきます。自然治癒には半年~2年ほどかかる場合もあります。痛み・かゆみといった自覚症状は少ないですが、患部を掻きこわすと手指にウイルスが付着し、その手指が触れたほかの部位へと感染が広がっていきます。

アトピー性皮膚炎・乾燥肌・アレルギー体質のお子さまは、皮膚のバリア機能が弱っているため水いぼになりやすい傾向があります。

いったん感染すると湿疹を掻くのと一緒に掻いてしまって、全身に無数に増えて広がりやすくなります。また、ステロイドを塗ると水いぼが増加しますので、アトピー性皮膚炎の治療が適切にできなくなってしまうというデメリットもあります。(日本小児皮膚科学会より抜粋)


【見た目】

水っぽい光沢のある、真珠のような白からピンク色の湿疹。直径は2~5mm程度です。水いぼ

 

【感染経路】

水いぼに触ることで起きる「接触感染」です。水いぼにはたくさんのウイルスが含まれているため、直接触らなくても、タオルや衣服などを介してうつったり、患部を触った手で触れたものを介して周りに広がったりします。スイミングスクールでもらってくることもありますが、プールの水と言うよりはビート板などの皮膚に触る物を介して感染します。

 

【プールに入ることの可否】

プールについては日本臨床皮膚科医会・日本小児皮膚科学会・日本皮膚科学会が発表している見解を掲示します。

プールの水ではうつりませんので、プールに入っても構いません。ただし、タオル、浮輪、ビート板などを介してうつることがありますから、これらを共用することはできるだけ避けて下さい。プールの後はシャワーで肌をきれいに洗いましょう。

学会ではプールに入ることは問題ないとしていますが、お子さまの通っている施設ごとでそれぞれ条件が定まっていると思います。各施設の規則に従って水いぼ治療を進めていくことを推奨します。

 

【治療法】

当院ではピンセットで摘除しております。チクッとした痛みがあるため痛みを和らげる麻酔のテープ(ペンレステープ)をご用意しています。

摘除の60分前に貼付することで効果が発揮されます。初診の方は医師の診察後、予約のご案内をさせて頂きます。

怖くて摘除できない患者様には長期間の塗布が必要になりますがクリーム外用での治療方法があります。

【水いぼの予防法】

スイミングスクールへ通っていたり幼稚園や保育園などでプールに入るお子さまは肌と肌が触れやすい環境のため入浴やタオルを別にし、直接肌と肌を接触させないように注意しましょう。また、皮膚が乾燥ているとバリア機能を低下してしまうことがありますので毎日の保湿をしっかりおこないましょう。

プールイラスト

2021/07/19

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