水イボ摘除のご案内
6月に入り、そろそろ幼稚園や学校でプールの授業が開始されるお子さまも多くいらっしゃる時期なのではないでしょうか。そこで気になってくるのがこども同士で感染しやすい水イボです。今回はその水イボについてどのような症状なのか、当院で行っている治療法についてご案内させていただきます。
●軟属腫ウィルスによる小さなイボ
見た目の特徴は直径1~3mm程度で白いぽつぽつを含み、胸やわきの下、肘、膝等にできることが多く、特に害はなく痛み・痒みといった自覚症状は少ないことがほとんどです。大人に感染することはあまりないですが、潰したり引っ掻いたりすると中の水疱に含まれるたくさんのウィルスによって自分の身体や他人に感染してしまいます。そのため、感染拡大の恐れがあるプール等は水イボがなくなった状態でお入りいただくのがおすすめです。
●当院で行っている治療方法
一般的にはピンセットを使用して取り除く場合が多く、当院でもそのような形で処置を行っております。チクッとした痛みがありますが、お子さまや保護者の方のご希望に合わせて処置時の痛みを和らげる麻酔のテープをご用意しており、処置を始める30分~1時間前くらいに患部に貼って麻酔の効果が出てきたところで摘除を行います。(個人差があるので全く痛がらないお子さまも暴れてしまうお子さまもいらっしゃいますが、大抵は痛いというより怖さを上手に表現できず泣いたり叫んだりしてしまうことが多いようです)
心の準備が出来ていない状態で長時間の処置を行ったり、無理やり抑えてショックを与えてしまったりすることがないよう、またお子さまが気になって患部を触っているうちにとびひなどの二次的な感染を起こしたりするリスクを出来るだけ減らせるよう、当院では原則として「水イボ摘除は1回の処置につき10固まで」という方法をとっております。お忙しい中ご来院いただいておりますので、一度に全て済ませてしまいたいという保護者の方のお気持ちもよくわかるのですが、お子さまの痛みや恐怖を出来る限り取り除くこと、他科も含めた今後の通院を考え治療がトラウマになったり病院嫌いになってしまわないようにすることも大切と考えておりますので、何卒ご了承ください。
●処置後の過ごし方
処置時に多少の出血がある場合もありますので、当日はシャワーのみにし、様子を見て翌日以降はお風呂にお入りいただいても構いません。入浴後は清潔なガーゼで拭いてからばんそこうなどで覆ってください。消毒液等は特に必要なく、水道水による洗浄で充分です。また、肌の表面に確認できるすべての水イボが一度に除去できたとしても、潜伏中のウイルスが残っている場合は数日から数週間後に新たな水イボが生じてくる可能性もあります。そのため最終的になくなるまで3~5回程度水イボをとることも珍しくありません。これから夏に向けて始まるプールを楽しく過ごしていただくためにも、気になる方はお早めにご来院ください。
2016/06/12