虫さされ(虫刺症)
虫刺症とは
ハチ・蚊・アブ・ブヨ・ノミ・ムカデ・毛虫などの刺咬、吸血、接触が原因でおこる皮膚疾患でかゆみや痛みを伴います。厳密な原因虫の特定は困難な場合が多いですが、湿疹の部位・季節・受傷場所・時間などから推定します。ハチの場合は、全身にアレルギー反応が起こりアナフィラキシーショックで命に関わる場合もあります。
治療として、湿疹に対しステロイド外用薬、かゆみに対し抗ヒスタミン薬を重症度に応じて使います。かゆみや赤みなど「おかしい」と思ったらすぐにご相談ください。
2011/11/02とびひ(伝染性膿痂疹)
伝染性膿痂疹とは
初夏~夏にかけて小児に多い皮膚疾患です。患部にかゆみを伴う大小の水疱・ただれ・かさぶたが出来ます。主としてブドウ球菌の感染が原因で、接触により人へ感染します。幼稚園・小学校では登校禁止の場合もあります。
治療は抗生剤の内服を中心に、患部にはぬりぐすりを使用します。感染を防ぐため、水疱をかきこわさないようにして、ご家族やお友達とのタオルの使い回しを避けましょう。お風呂はシャワー程度とします。
2011/11/02あせも(汗疹)
汗疹とは
夏の暑い時期などに、汗をかきやすいところにできる皮膚疾患です。新生児・乳幼児に多く、かゆみのため泣くことで保護者の方が気づくケースもあります。発散しきれなかった汗が皮膚の中にたまり、周囲の皮膚組織にしみだすため、その刺激によって炎症が起こり、かゆみが生じると考えられています。
あせもの治療では、かゆみや炎症の強さに合わせて弱めのステロイド軟膏を使います。また、かゆみ止めを短期間内服することもあります。
2011/11/02水いぼ(伝染性軟属腫)
水イボとは?
水イボは伝染性軟属腫ウイルスの感染によって生じる皮膚疾患で、柔らかく盛りあがった発疹ができます。小児に多く、掻いて潰すと自分の体や他の人に感染します。痛みや痒みはほとんどありません。
水いぼの治療
早期のうちにピンセットで一つ一つ摘み取る外科的摘除が最も確実です。この処置は痛みを伴いますが、当院では痛みを和らげるための外用麻酔薬のシールをお渡ししています。
自然治癒を待つ(放置する)こともありますが、治るまでには数ヶ月~1年ほどかかります。水いぼはそれ自体悪性化することはありませんが、その間、他人への感染の危険性と自家感染による拡大が心配されます。数が少ないうちに受診されることをおすすめします。
まずはご相談下さい
「兄弟にうつるのが心配」「プールに入りたい」「早く治したい」など、保護者の方のお考えやお子様ご本人の反応、生活環境などをうかがいながら治療方針を決めていきます。まずはご相談下さい。
水虫(白癬)
水虫とは?
水虫は白癬菌という真菌(カビ)が原因で起こる皮膚感染症です。白癬には足にできる足白癬、爪にできる爪白癬、その他頭部(シラクモ)、股部(インキンタムシ)、体部(ゼニタムシ)にもできます。白癬は通気性が悪くジクジクした所を好んで繁殖し、タオルや足ふきマット、スリッパからも簡単に感染します。
症状は、かゆみがある・乾燥して皮がむける・水疱や膿疱ができるなど様々で、いわゆる湿疹の特徴とも非常によく似ています。まずは顕微鏡検査で白癬かどうかを診断し、治療を開始します。
治療にはよく効く薬剤がたくさん出ていますので、多くは塗り薬のみで充分に治ります。しかし、爪白癬では外用薬が爪の中になかなか浸透しないため、飲み薬の治療が必要です。
爪白癬の内服治療について
爪白癬は白癬菌が爪の中に侵入したももので、爪が白や黄色ににごり、もろくなったり変形したりします。爪白癬の内服治療には、毎日1錠ずつ3ヶ月~半年続けて服用する方法と、1週間飲んで3週間飲まないサイクルを3回繰り返す方法(パルス療法)とがあります。どちらも薬を飲み始めて3ヶ月~半年ほどで、健康で綺麗な爪に生えかわります。
アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎とは
「増悪・寛解を繰り返す、掻痒のある湿疹を主病変とする疾患」であり「多くはアトピー素因を持つ」と定義されます。80~90%の方は乳児の頃、特に生後2~6ヶ月の間に皮膚炎が出始め、成長するにつれ自然に治っていきますが、ここ数年なかなか治りきらない患者さんが増えています。
アトピー性皮膚炎は増加している
日本や欧米での調査によると、人口の4人に1人はアトピー体質があり、日本ではここ30年の間にアトピー性皮膚炎の患者さんが著しく増えています(スウェーデンにつぎ世界第2位)。その原因は生活様式が多様化したことによる悪化原因の増加、不適切な治療(民間療法、脱ステロイド療法)などが挙げられます。
アトピー性皮膚炎の治療
アトピー性皮膚炎は以下の3項目を組み合わせて治療していきます。
1.薬物療法
■ ステロイド外用薬
アトピー性皮膚炎治療の基本はステロイド外用薬を使うことです。皮膚の炎症を抑えるにはステロイド治療薬に勝るものはありません。皮膚炎の部位や炎症の強さに応じ、ステロイドの種類や塗布回数を調節します。
◎ お薬の塗り方や副作用・注意点については、診察や処置の際に詳しくご説明しています。気になる点はお気軽にご相談下さい。
■ 内服薬
かゆみに合わせて、抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬などを使います。
■ プロトピック軟膏
プロトピックは中等度のステロイドと同等の効果があり、長期使用でもステロイドのような副作用が起こらないのが特徴です。特に、顔と首の皮膚炎に適しています。
参考)ステロイドはこわい?-副作用について-
1980年代に副作用の少ないステロイド外用薬が多数開発され、アトピー性皮膚炎治療に広く使われてきました。ところが、「副作用が少ないステロイド外用薬」も漫然と長期に使われ続けた結果、皮膚萎縮や赤い顔など、ステロイドの副作用が多くの患者さんで出てしまいました。このような歴史から、「ステロイドはこわい」という考えが全国的に広まったのです。しかし、ステロイド外用薬は決して「こわい薬」ではありません。正しい使い方をすれば副作用はほとんど起こりません。自己流ではなく専門医の指導のもと、正しく使用しましょう。
2.スキンケア
皮膚の汚れはアトピー性皮膚炎の悪化原因です。毎日入浴し、「石けんを普通に使用して皮膚炎部位も含めて全身をよく洗う」ことがスキンケアの基本です。
■ 乾燥には保湿剤
乾燥した皮膚では皮膚バリア機能が低下し、外界のいろいろな刺激物の影響で皮膚炎が悪化してしまいます。症状が落ち着いてる時でも、皮膚が乾燥しないよう保湿剤はきちんと継続しましょう。
3.悪化因子の検索と対策
皮膚からの悪化因子として、皮膚の汚れ・薬のかぶれ・衣類の残留洗濯洗剤など、口からの悪化因子としては食物、内服薬などがあげられます。その他、ストレス・生活リズムの乱れなども悪化因子となります。また、血液検査でのアレルギーチェックも参考になります。
まずはご相談下さい
ステロイドはこわいという考えから、ステロイドを使わない治療や営利を目的とした民間療法などで漫然と治療を続け、皮膚炎がますます悪化してしまった患者さんが多くいらっしゃいます。また、アトピー性皮膚炎には魚麟癬やとびひ・かぶれ・アトピー性白内障や網膜剥離など、様々な合併症もあります。正しい薬の使い方で早期に皮膚炎を抑えることが大切です。まずは当院にご相談下さい。
2011/11/02
花粉症
花粉症とは
花粉症とは、スギ・ヒノキなどの特定の植物の花粉によって起こるアレルギー疾患です。花粉が目や鼻の粘膜に付着することで様々な症状が現れ、日本では約8割をスギ花粉症が占めています。
症状
鼻水・鼻づまり・連続するくしゃみ・目のかゆみ・充血などです。程度には個人差があり、鼻や目など局所症状だけでなく、微熱・倦怠感など一般の風邪に近い症状が出ることもあります。
花粉症の治療について
薬物療法が中心で、内服薬・点鼻薬・点眼薬など様々な種類があります。最近は、眠くならない薬や一回服用すると24時間効果が持続する薬も開発されていますので、お気軽にご相談ください。毎年花粉症症状がでる方は、シーズン前から抗アレルギー薬を内服すること(初期療法)で症状が軽減できます。
※年々花粉症の患者様は増加しており、今まで花粉症といわれた経験のない方でも突然発症することがあります。花粉のアレルギーは、血液検査で簡単に調べられます。お早めにご相談下さい。
2011/11/02